あんなこと、こんなこと、ドイツ便り

第4話(2010年7月執筆)【ベックス社訪問】

from 谷本バルタイト美枝子

ブラザー・ジョルダン社のグッドトイカタログ12号がいよいよ完成しました。もう皆様のお目にはとまりましたでしょうか?
今回、カタログ取り扱い商品に新たにお目見えしたものの一つに、ベックス社の粘土があります。ベックス社は2月のニュルンベルク・国際玩具見本市でブラザー・ジョルダン社が出会った新しいパートナー。そこで今回は、テュービンゲン近郊のゴマリンゲンという小さな町に位置する社を訪れ、製造の様子などを見せていただきました。その訪問記録をここにご紹介します。

※ベックス社の商品はグッドトイカタログ12号、P75内に掲載されています。

ベックス社とフロインデスクライス
ベックス社の起こりは1968年。創業者のヘルマン・ベック氏は、かつては玩具の販売に従事していましたが、売る側から作る側に転身し、粘土の製造にその後の職業人生をささげます。
時期をほぼ同じくして1972年、テュービンゲンでフロインデスクライス(Freundeskreis:友達の輪)という名の協会が設立されました。この協会は、障がいを持った方々の積極的な社会参加実現を目的として、心身に障がいをかかえた子どもの両親を中心とするテュービンゲン市民のイニシアティブとボランティア活動を土台に発足しました。 他方粘土のベックス社では、製造量が増すにつれて、製品の包装を地域家庭の在宅作業に託すようになりましたが、次第に先に述べたフロインデスクライスの作業所にこの依頼をすることが増えていきました。健常者には単調ととらえられかねない仕事も、作業所で従事する人々にとっては社会参加の証であり、生きる喜びと日々の希望にさえ通じるということに、創業者であり当時の社長でもあったベック氏が、意義を見出したからです。作業所への業務依頼では、『急なオーダーがあるからピッチを上げて。』などの要求こそ出すことはできません。
その代わり、『恒常的に安定した業務クオリティーを期待することができるのは、依頼する側の企業にとっても大きなメリットである。』と、これもベック氏の考え方だということです。こうして隣人であるベックス社とフロインデスクライスは共に歩み、発展をとげていきます。
※(写真)古城から眺めるテュービンゲンの街

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