あんなこと、こんなこと、ドイツ便り

第3話(2010年6月執筆)【旬の味覚 -ホワイトアスパラガス-】

from 谷本バルタイト美枝子

風味といい、歯ごたえといい、やっぱりお日様の光を存分に受けて青々と育ったグリーンアスパラが好き。白はなんだか頼りなくって、いかにも日陰者って感じ。ブロッコリー対カリフラワーもこれに然り。…と思い続けてきた私ですが長年ドイツで生活している内に、この日陰育ちの人気者の味を無視できなくなってきました。アスパラのシーズンが始まるのは3月末から4月初旬。初物に目のない消費者をねらって、新年ごろから、はるばる遠方からやってきたブラジル産などの輸入品も見られます。でも、なにより新鮮さが命のアスパラ(ドイツ語ではSpargel:シュパーゲル)ですから、ドイツ人のドイツ産シュパーゲルへのこだわりは並大抵ではありません。

毎年春先になると、今か今かと収穫を心待ちにし、「ついに出たね。もう食べた?」「私まだ。なんだかまだ寒すぎて、シュパーゲルって気分にならないよ。」「そんなの関係ないでしょ!うちじゃもう2回食べたわよ。」「さすが、すごい執念!でもまだちょっと高いんじゃないの?」などと、職場や友人同士で例年おきまりの、こんな会話があちこちで聞かれます。そしてシーズン終了の6月中ごろまで、今のうちに一本でも多く食べとかなくっちゃ…と半ばウキウキ半ばそわそわとした切迫感がシュパーゲルの回りに張り詰めているような感じです。そこで今回は、今を時めくキッチンのスター、シュパーゲルをご紹介いたします。

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