ナンヒェン(ドイツ)

あんなこと、こんなこと、ドイツ便り

第16話(2011年11月執筆)【ナンヒェン社訪問】

from 谷本バルタイト美枝子

ナンヒェン社のゼントケ夫妻は、旅行、森の散策、オペラやコンサート鑑賞、そして料理が大好き。
親しい友人夫妻3組で毎月1度集まって、ともに作り、ともに食べることを楽しむナナさんとペーターさんです。3件の家を毎月交代で訪ね合い、ホスト役の夫婦がその日のメニューをアレンジ、レシピを用意、買い物もすませておきます。みんなが集まれば、それぞれがレシピを吟味、「私は前菜。」「メインは私たちで。」「僕はスープ。」「じゃ私はデザート。」…と、6人それぞれが料理を分担するのだそうです。
「だから、比較的わずかな手間と予算で、毎月必ずレストランのコース並みディナーが楽しめちゃう。」と、ペーターさん。「最後には洗い物もみんなですませて、ワイングラスだけテーブルに残しておしゃべりで夜をしめくくるから、ホストに全然負担がかからず、誰にも気兼ねがないの。」とナナさん。
そんな楽しい集いを始めて、なんと、かれこれ16年にもなるそうです。
ユニークなアイデアでライフスタイルも充実、そんな素敵なご夫妻にお話をうかがいました。

※黒字:筆者(谷本)、赤字:ナナさん、青字:ペーターさん

さっそくですがおもちゃのデザイン、製造、販売をするに至った経緯、きっかけ、社の歴史をお聞かせください。

私たち夫婦が出会ったのは、ミュンスターという街でデザインを学んでいた学生時代です。大学の初年度、デザインの基礎ともいうべき分野で、とてもお世話になった教授がシュテークマン(Stegmann)先生でした。
そしてこの先生によく与えられた課題が《動きをともなう玩具のデザイン》。そんなことも影響したのか、そのうち同期の仲間たちといっしょに、小さな木製玩具の工房を開くに至りました。
当時(1970年代)のドイツでは、木製玩具の市場は決して豊かじゃなかった。そこで私たち6人の学生グループは、市場に不足している木のおもちゃを作り、職場の実体験を積み、さらに学費と小遣い稼ぎという一石二鳥ならぬ三鳥をねらって会社を興したのです。社はそのものずばり、《Werkstatt=ヴェルクシュタット:工房》と命名。
そうして1974年、ニュルンベルクの見本市にも初めて出展しました。


やがてグループの皆も学業を終えて、それぞれの道を歩んでいくことになります。ヴェルクシュタットは仲間の1人に任せることに決定し、グループ中の2名はおもちゃのデザイナーとして職につきます。(※現在、セレクタ社のデザイナー)
そして私たち夫婦は、カッセルの町に《Arche=アルケ:箱舟》という名の玩具店を開くことになりました。1983年のことです。









※アルケ時代に使っていたかまど

このページのトップへ